鉄構技術記事詳細

2022年7月号 VOL.35 NO.410

・[特集1] 木・鋼ハイブリッド構造-木と鉄の建築の魅力
・[特集2] 設計・施工の効率化
・[論文] 広島JPビルディング
・[鉄のデザイン] 遺跡を覆う単層格子の軽快なシェルター
・[News] アマダマシナリー 「鉄骨・鋼材加工向けファイバーレーザマシン」発売
・[BIMNews] ソフトウェアセンター 「SSC-梁貫通孔設置範囲 for Revit 2021」リリース
・[人HUMAN] 吉原 正さん(三菱地所設計)

・「木・鋼ハイブリッド」「設計・施工の効率化」の2大特集

 木構造建築物はCO2排出量を削減し環境にやさしい構造形式として注目を浴び、さらに鋼と組み合わせたハイブリッド構造とすることにより、さらに建築物への適用の可能性を広げている。木・鋼ハイブリッド構造は構造分野に活性化をもたらすか? 特集では、木・鋼ハイブリッド構造の事例を中心にその魅力と可能性に迫る。フロントは元福岡大学教授の稲田達夫氏が中高層ビルへの木・鋼ハイブリッド構造適用と今後の展開について執筆。設計・施工各社の構造設計者が、オフィス、公共施設など多様な建築物への木・鋼ハイブリッド適用事例を紹介する。

・広島JPビルディング—高層建築の設計と施工

 広島市に建設中の地上19階、最高高さ88.38mの高層建築。延床面積約44,200㎡。建築主は日本郵便。鉄骨約7,800tは川岸工業、阪和興業・坂本工業、仁木鉄工が担当。この建物に係わった城戸隆宏/堤南平(日本郵政・施設部)、油田憲二(久米設計)、佐々木直幸/福田隆介/上野雄太(鹿島建設)、鈴木芳隆(小堀鐸二研究所)、寺尾直樹(鹿島建設中国支店)の各氏の共同執筆。地方都市における高層建築が増加傾向にある中、建築主・設計・施工・ファブのCollaborationによるプロジェクトを紹介する。

・「鉄のデザイン」はパレスチナ宮殿遺跡の耐震補強

 連載第23回は海外版となる「パレスチナ・ヒシャム宮殿遺跡の保護シェルター」。遺跡を覆う単層格子の軽快なシェルターが特徴のヒシャム宮殿遺跡は主に宮殿の遺跡と大浴場遺跡などからなる。展示施設の整備が望まれてきた。ヒシャム宮殿の展示施設は日本の政府開発援助(ODA)による実施が決まり、マツダコンサルタンツが設計者として選定された。構造設計は梅沢良三氏(梅沢建築構造研究所)。延床面積は2,483.5㎡。鉄骨は約300t使用し、元請:駒井ハルテック、協力会社:会川鉄工第二工場(福島県いわき市)が担当した。

特集1:木・鋼ハイブリッド構造-木と鉄の建築の魅力

木造超高層ビルは実現可能か
 ――稲田 達夫(SASST/山佐木材)
三菱地所グループ木造木質化事業
 ――海老澤 渉(三菱地所 兼 三菱地所設計 兼 MEC Industry)
雄武町図書館
 ――長谷川 純(石本建築事務所)
木補剛制振間柱の開発と適用
 ――江坂 佳賢/大山 翔也(日建設計)
銀座髙木ビルの構造設計
 ――清水 靖真(清水構造計画)
淡路島 禅坊靖寧の⽊・鋼ハイブリッド架構
 ――田尾 玄秀(樅建築事務所)
鋼+木のハイブリッド屋根架構
 ――村田 翔太朗(大林組)
鋼と木を組み合わせた大屋根
 ――笹元 克紀(大林組)
地産地消の木格子天井による開放的なオフィス
 ――竹田 拓司(清水建設)
集成材と鋼管柱を一体化したハイブリッド耐火柱
 ――島村 高平(大成建設)
木・鋼ハイブリッド耐震部材を用いた中層公共施設の構造計画
 ――赤木 光志(大成建設)
木質空間を中心とした学び・交流の場
 ――吉田 崇秀/大林 優(竹中工務店)
高層・大規模オフィスビルに対応するS+CLTハイブリッド構造
 ――國府田 まりな(竹中工務店)
熊谷組福井本店
 ――梅田 正芳/河合 慶哉(熊谷組)
T-LSB 今年度の開発テーマ
 ――岡部 純(トーネジ)
デッキプレートを用いた木造屋根構造の面内せん断挙動に関する研究
 ――大山 翔也(ジャパン建材(当時出向))/渡辺 司(ジャパン建材)/中川 治彦/牛米 歩(日鉄建材)

特集2:木・鋼ハイブリッド構造-木と鉄の建築の魅力

NDコア
 ――日鉄建材
ジョイントカプラ工法
 ――センクシア
パイロンバリアー
 ――アクシス
EGリング
 ――日本ファブテック
親子フィラーを使用した柱脚
 ――構造工学研究所

・[論文] 広島JPビルディング
 ――高耐力ダンパー(HiDAX-e)を用いたハイブリッド制振構造
 ―――城戸 隆宏/堤 南平(日本郵政)/油田 憲二(久米設計)/佐々木 直幸/福田 隆介/上野 雄太(鹿島建設)/鈴木 芳隆(小堀鐸二研究所)/寺尾 直樹(鹿島建設中国支店)

●鉄のデザイン 連載 第23回

遺跡を覆う単層格子の軽快なシェルター
 ――パレスチナ・ヒシャム宮殿遺跡の保護シェルター
 ―――川添 健治(マツダコンサルタンツ)/梅沢 良三(梅沢建築構造研究所)

●News

・アマダマシナリー 「鉄骨・鋼材加工向けファイバーレーザマシン」発売
・大林組 ビジュアル工程管理システム「プロミエTM」アップグレード
・令和4年度都市景観大賞 「竹芝地区」が「都市空間部門」において「特別賞」受賞
・熊谷組 CLTを用いた「木質耐震垂れ壁構法」開発

●BIMNews

・ソフトウェアセンター 「SSC-梁貫通孔設置範囲 for Revit 2021」リリース
・トプコン 位置出し用座標抽出ソフトウエア「Point Manager」
・福井コンピュータアーキテクト 国産BIM建築設計・施工支援システム「GLOOBE」最新版

●Project

・全国の建設プロジェクト―ビル/商業施設/工場/学校ほか
・全国の建設プロジェクト―Image 編
・全国の建設プロジェクトの見方

●Strutec Data

・2022年3月の都道府県別建築着工面積/2022年4月の建築着工面積
・2021年度の推定鉄骨需要量
・2021年度の都道府県別推定鉄骨需要量

●Regular

・A∩C:建築とコンピューター
 ――〈第49回〉 リアル建物の施工を目指す3Dプリンタの現在地
 ―――樋口 一希
・空間構造デザイン研究会(KD研)
 ――PartⅡ「空間構造の実践と軌跡」連載NO.3 第1回プロローグ(その3)
 ―――時空を越えて・魅せられた構造空間(B)2021.10.2
 ――――斎藤公男(A-Forum代表/KD研究会主査)
・リレーエッセイ 建築と私 309
 ――「新天地仙台」
 ―――安田 功明
・建設関連産業の未来のための技術評論
 ――第144回 茶室・住まい論議
 ―――藤盛 紀明
・真構造道場
 ――第83回 「避難シェルター」の巻
 ―――高橋 治

・人HUMAN 吉原 正さん(三菱地所設計 構造設計部 兼 R&D推進部木質建築推進部 室長)


●表紙
広島JPビルディング

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