鋼構造ジャーナル記事詳細

2008年7月7日号 NO.1360

・ファブ、流通業界『2極化』鮮明に/鋼材問題背景に
・5月の鉄骨需要は約54万㌧/国交省建築着工統計
・人と話題/建築研究所・村上周三理事長
・新社長/美建(愛知県)・植松要治氏
・インタビュー/全構協・青年部会会長・上柿範兼氏
・JSCA賞・作品賞に城所竜太氏/受賞作品は鉄骨系
・大手ファブ⑪/片山ストラテック・北山恭尚社長
・新支部長/全構協近畿支部・大井豊司氏(滋賀県)
・近畿版
・四国版
・新鉄構企業訪問/㈱坂上鐵工所(新潟県)

防災体験介し適宜な行動を確認

全青会近畿ブロックが防災体験訓練

巨大地震の再現通じ認識高揚図る

 耐震鉄骨のメーカーとして、地震のメカニズムと地震防災対策の知識、救命をはじめとした災害発生時の救命、防火活動のあり方などの認識が不可欠――この趣旨のもと、全国鉄構工業協会青年部会の近畿ブロック(会長=西政宏・三作鐵構専務)は6月28日、大阪・天王寺の大阪市立阿倍野防災センターで防災体験訓練を実施した。
(写真左=壊滅的な被害の中での救急連絡法を学ぶ/写真右=可搬式消防ポンプや消火器の使い方を学ぶ)

『2極化傾向』鮮明に

ファブ、流通業界

鋼材問題長期化で経営に厳しさ増す

 改正建築基準法の施行以降、鉄骨の需要動向に大きな関心が集まっているが、ここにきて鉄骨の物件規模に応じたファブ、流通業界の量的な『2極化傾向』が、さらに鮮明になってきている。そうした懸念のもと、鋼材の価格急騰、需給ひっ迫など『鋼材問題』の長期化を受けて、商社鉄骨への依存、与信対策もこれまで以上の高まりをみせており、ファブ経営の厳しさが増してきているのが実情だ。「適正契約、経営安定」からも重要な局面を迎えていることから、今後の動向に大きな関心が集まっている。

推定鉄骨需要量は約54万㌧

国土交通省5月着工統計

着工面積、前年比2桁の減少


 国土交通省がまとめた5月の建築着工統計によると、全着工面積は前年同月比16.0%減(前月比4.3%減)の1336万8000㎡。昨年5月に改正建築基準法の施行前の駆け込みで需要が増加したこともあり、前年同月比では2桁台の大幅な減少。
 構造別(※右表1)では、鉄骨系でS造が前年同月比23.3%減(前月比0.7%減)の505万1000㎡、SRC造は同2.9%減(同122.2%増)の68万8000㎡(※表2)。この結果推定される鉄骨需要量は、約54万㌧の水準(前年同月は約69万㌧)。

入手の遅延と割当削減が深刻

日本橋梁建設協会が調査

 日本橋梁建設協会(川田忠樹会長)は、鋼材問題で会員を対象にアンケート調査を行っているが、このほど4月調査の結果と最近の動向をまとめた。現在は鋼材価格の高騰だけでなく、鋼材入手期間の遅延やミルメーカーの鋼材割当量の減少が深刻な問題となっている。このため、橋建協として国土交通省などの発注機関と日本鉄鋼連盟に対して改善を要望するほか、鋼材生産の効率化に寄与する「鋼板厚板の集約化」でも検討していく。(表=鋼板供給枠の割合)

経産省

石川鉄鋼課長が会見

建築用鋼材需要は回復基調

 経済産業省の石川正樹鉄鋼課長は6月30日、08年度第2四半期(7~9月)建築用鋼材需要について、住宅で前期比5.3%増、前年同期比3.9%増、非住宅は前期比14.1%増、前年同期比2.7%増で、合せて前期比10.6%増、前期比3.2%増加の見方を示した。記者会見で明らかにしたもの。前期比増の要因は建築着工から鋼材消費までのタイムラグ(期ずれ)、前年同期比増については改正建築基準法の落ち込みによる反動で、「4月からの動向をみると、建築用鋼材の需要は回復基調にある」と述べた。

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