予想以上に長引く〝端境期〟
- 経営面で厳しい情勢が続く
コロナ禍で流動的な展開に
国土交通省の建築着工統計から算定した2020暦年鉄骨需要量(推定)は前年比14・2%減の約405万㌧となった。辛うじて400万㌧割れを回避したものの、月ベースでは12 カ月連続で40万㌧を下回り、低迷が続く展開となった。もともと20年は東京五輪の開幕を控えて需要の端境期となることが指摘されていたが、新型コロナの感染拡大が追い打ちをかけ、端境期が予想以上に長引いていることになる。
国土交通省の建築着工統計から算定した2020暦年鉄骨需要量(推定)は前年比14・2%減の約405万㌧となった。辛うじて400万㌧割れを回避したものの、月ベースでは12 カ月連続で40万㌧を下回り、低迷が続く展開となった。もともと20年は東京五輪の開幕を控えて需要の端境期となることが指摘されていたが、新型コロナの感染拡大が追い打ちをかけ、端境期が予想以上に長引いていることになる。
国土交通省の建築着工統計から試算した20暦年推定鉄骨需要量は前年比14・2%減の約405万㌧となった。月ベースでは12カ月連続で40万㌧を割り込み、3月を除いた全ての月で前年同月比減となった。辛うじて400万㌧台を維持したかたちだが、「コロナ禍の影響を受けて需要の『端境期』が予想以上に長引いていることが数値上でも明らか」とみる関係者は多い。
(写真=宅配サービス市場が拡大したことから『物流倉庫』が堅調に推移)
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、いわゆる「女性活躍推進法」が施行されてから今年で約5年。同法施行を機に、女性が働きやすい労働環境の整備に取り組む企業が増加し、さまざまな業界で女性が活躍する事例が見受けられるようになった。
ファブ業界においても、図面制作や工務、品質管理などの業種で女性社員が増加。また、一次加工機のオペレーションや組立溶接、工場での体力を要する作業でも女性の姿を見かけるようになった。
(写真=技術部で図面作業を手掛ける(鐵建=群馬)(上)、CADオペレーターに女性が増加(稲垣鉄工=三重)(下))
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例年であれば年始から1月中・下旬にかけて鉄構関連団体による賀詞交歓会が相次いで開催され、関係者がともに新年を祝い、あいさつを交わす場面が各地でみられるところだが、今年はコロナ禍の影響でこうした恒例行事が軒並み中止となり、通常とは異なる幕開けを迎えている。
ファブ業界でも、鉄骨建設業協会と全国鐵構工業協会の2大団体が賀詞交歓会を中止、さらに鉄鋼、溶接、非破壊などほぼ全ての関連団体も開催を取りやめている。全構協傘下の各県組合では、昨年末まで新年会の開催を模索する動きが一部でみられたが、年末年始の全国各地の感染者急増や、年明け後の緊急事態宣言の再発出などを受けて中止とした団体が少なくない。また、新年を祝う行事のみならず、1〜2月に予定していた講習・研修会などの事業を延期・中止する動きもみられる。
(写真=事業を延期・中止する動きがみられる中、対面での会合を持ち続ける組合も(愛知県鉄構工協組(12日開催)))
2021年の西日本における需要動向は年間を通して「辛抱の年」となるとされている。ただ、地元の大手ゼネコンや鋼材商社では「前半と後半では鉄骨市場の環境が変化し、秋以降から需要回復の兆しがみえてくるのではないか」と予測、実際にそうした展開になる可能性は高いとの見方が大勢を占めている。
その根拠として、大型・著名物件がほぼ計画通りに進んでおり、秋以降に山が高くなるスケジュールにあることや、流通倉庫関係の需要が今年も旺盛であることなどが挙げられる。
(写真=大阪地区では鉄骨の工事本格化を予感させる光景が目立つ(写真は本文とは関係ありません))